2011年08月12日

髪の毛の保存を!

内部被曝や長期間にわたる低線量被曝が人体に与える影響は、科学的によくわかっていません。
このブログやFGFサイトに掲載された情報をご存知の方には周知となっていますが、「わかっていない」=「安全と証明された」わけではありません。もちろん「危険と証明された」わけでもありません。

このような状況で、どうしたらよいのか、多くの人が悩んでいます。
心配しすぎてストレスをためたらかえって体に悪いという人もいますし、予防原則の観点から積極的に対策を取るべきという人もいます。

今後、長い時間をかけて(おそらく何十年とかかるでしょう)少しずつ科学的に確かな結果が得られてくると思われますが、その間も私たちは低線量被曝を受け続けます。そして何らかの形で内部被曝するかもしれません。
それらがどんな影響を及ぼすのか。
大したことがないと証明されればいいのですが、もしそうでなかったとしたら…。

しかし、避難したくとも、遠方に身寄りがない、新天地での仕事のアテがないといった事情により、多くの人が依然として、平時よりもはるかに高い放射線量地域にとどまざるを得ない状況です。

そこで、せめて将来的に補償問題となったときに備えて、証拠として髪の毛を取っておくことをおすすめします。
1ヶ月に平均1cm伸びるので、事故後、5ヶ月経った現在だと根本から数えて5cmです。
これは、ECRR(欧州放射線リスク委員会)メンバーのクリス・バスビー博士へのインタビューから、福島市在住の医療ジャーナリスト・藍原寛子氏が紹介しています。

動画は以下(22分15秒あたりから)。


この動画の内容を文字に書き起こしたものは、このリンク先にあります。

少量の髪の毛を証拠になり得るものとして残しておくことは、現在の低線量被曝や内部被曝のレベルが安全か危険かの議論と別に、誰でも、簡単に、できます。

結果的に、
安全であることがわかれば、ほんの少しだけ保存していた髪の毛を捨てればいいだけです。
危険であることがわかれば、被曝の証明を受けるときにその髪の毛が重要な証拠の1つになりえます。

(byでこぽん)
posted by fukugenken at 22:23| 福島 ☁| Comment(1) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年07月03日

県民健康管理調査に対する緊急声明(7/3)

みなさま

福島大学教員有志により、県による放射線影響に関する健康権利調査に対して、緊急声明が発表されましたので、お知らせします。


★  ★  ★

全県民を対象とした放射線影響に関する健康管理調査についての緊急声明



はじめに

 東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所の爆発事故を受けて、福島県は、震災から2ヶ月以上経った5月27日にようやく「健康管理調査検討委員会」を開き、6月の下旬から県民を対象とする健康管理調査を開始しています。また、6月23日には、政府が、福島県の健康管理調査に伴う費用を肩代わりすると発表しました。
 原発災害は、今なお進行中です。福島第一原子力発電所の事故は収束しておらず、仮に直ちに収束しても、約30年という長い半減期をもつセシウム137などによって汚染された地域においては、放射線レベルが急速に低下するわけではありません。私たちは今後も引き続き、余計な被ばくを避けるための手立てを講じていかなくてはなりません。
 行政が、ホールボディカウンター及び尿検査による内部被ばくの調査や、線量計の配布による外部被ばくチェックの支援に向けて動き出したことについては、それなりに評価できます。しかしながら、福島県のウェブサイトにおいて公表された県民健康管理調査の概要をみますと、一抹の不安を感じざるを得ません。
 放射線の健康影響を調査するためには、原発事故以降、県民がどれだけ被ばくしたのか、できるだけ正確に知る必要があります。しかし、県は、警戒区域及び避難区域の外に住む県民については一貫して安全論を唱えてきたため、これまで、県民の被ばく量の把握に関心を向けてきませんでした。県は、原発事故から3ヶ月ほど経過した今頃になって、県民に、3月11日以降の行動を思い出して記録するように呼びかけていますが、そのような対応のまずさについて、県からは一切の説明や謝罪がありません。つまり、県は今現在においても、低線量被ばくの健康影響はまったくないとの態度を改めていないものと思われます。そこで以下に、今回の健康管理調査における問題点を具体的に述べさせて頂きます。





健康管理調査における「放射線の影響による不安の解消」という目的の妥当性

 県は、健康管理調査の目的として、「放射線の影響による(県民の)不安の解消」を挙げています。確かに、調査の結果ほとんど被ばくしていないことがわかれば、不安の解消につながることもあるでしょう。一方で、低線量でも被ばくしていることが明らかになれば、必ずしも不安の解消とはなりません。被ばく量の把握が不安の解消をもたらすという考え方は、「福島県民の被ばく量など健康に影響を与えるほどのものではない」という結論が先にあるかのように読み取れてしまいます。低線量の被ばくと健康影響の因果関係については専門家のあいだでも意見が分かれており、今なお十分に解明されていない生物学的メカニズムを含む不確実な問題なのですから、はじめから被ばくの影響を軽んじて調査を行う姿勢は正当なものではありません。被ばく量を把握すること自体が県民の不安を解消するというのであれば、少なくとも、その根拠を示してください。





県民健康管理調査検討委員会の体制について

 健康管理検討委員会の座長には、県の健康リスク管理アドバイザーでもある山下俊一氏が起用されています。しかしながら、県の放射線対策を講じる立場にある者(リスク管理アドバイザー)が、いわば自身のリスク管理の結果としての「県民の健康状態」を評価するというのは、利益相反の観点から望ましいとはいえません。調査の中立性を保つためには、本来ならば、健康管理検討委員会にリスク管理アドバイザーを含めるべきではありません。もし、リスク管理アドバイザーを座長にしたままで調査を進めるのであれば、少なくとも、現リスク管理アドバイザーとは異なる立場の専門家(すなわち、低線量被ばくの健康影響について慎重な立場の専門家)を委員会に含めるべきであると考えます。加えて、健康管理検討委員会の人選のプロセス、委員会の審議内容、健康管理調査の透明性を確保するとともに、それらの正当性を評価するための第三者によるチェック体制が整うまでは、調査を進めるべきではありません。





「将来にわたる健康管理」が意味するもの

 県はさらに、健康管理調査のもうひとつの目的として、「将来にわたる県民の健康管理」を挙げています。5月23日付けの朝日新聞によりますと、「(調査により)癌の発生率の増加などの兆候がないかを早期につかみ、適切な治療につなげたい」というのがその内容のようです。しかしながら、仮に将来、ある県民において癌あるいは他の疾患の兆候が見つかったとしても、個々の患者レベルにおいては、それが被ばくの影響によるものか否かを証明することはほとんど不可能に近いと思われます。したがって、県民からすれば、被ばくによる健康影響はないものと簡単に片付けられるのではないか、との不安が付きまといます。県の健康管理調査が、被ばくと健康影響とは無関係であるとの「お墨付き」を積極的に与えるものにならないよう、私たちは強く希望します。
 そもそも健康とは、世界保健機関(WHO)によれば、身体的、精神的、社会的に良好である状態のことを指します。したがって、健康管理調査は、被ばくがもたらす身体的、精神的、社会的な影響を幅広く網羅するものでなくてはなりません。このような広い意味での健康に対する被ばくの影響が僅かでも疑われる場合には、患者が泣き寝入りしたり、無用な裁判に振りまわされたりしないよう、国や県は、被ばく者側に立った支援を行うべきであると考えます。





最優先されるべきは「余計な被ばくを少しでも減らす」こと

長期にわたる低線量の被ばくと健康影響に関する疫学的調査は、人類にとって有用な知見を与えるでしょうし、多くの研究者が関心を持つでしょう。しかしながら、被ばくしている当事者からすれば、病気にならずに済むのであれば、それが一番望ましいのは明らかです。低線量被ばくの健康影響についての見解は専門家のあいだでも一致をみていないという状況を踏まえますと、予防原則に基づいた現時点での合理的な方策は、余計な被ばくを少しでも減らす、ということに尽きるはずです。したがって、健康管理調査は、何よりもまず、県民の今後の被ばく量低減に少しでも役立つように行われるべきであると考えます。しかしながら、県の健康管理調査の趣旨からは、そのような目的意識が読み取れません。たとえば、ホールボディカウンターや排泄物検査による内部被ばくの検査は重要ですが、それ自体で、内部被ばくの低減をもたらすわけではありません。
 予防原則に則って県民の健康を管理するためには、すべての検査結果を個人に開示したうえで、平常レベルの被ばく量を超えた者については、体内の放射性物質を排出するための医療行為の妥当性についての判断、問診や生活記録に基づく被ばく経路の推定と生活習慣・環境の見直し、継続的な検診による被ばく量推移の把握、などを支援する必要があります。これらのことを、県は、健康管理調査の目的の重要な柱にすべきであると考えます。



以上



2011年7月3日



賛同者氏名(五十音順)



荒木田岳 (福島大学 行政政策学類 准教授)
石田葉月 (福島大学 共生システム理工学類 准教授)
井本亮  (福島大学 経済経営学類 准教授)
遠藤明子 (福島大学 経済経営学類 准教授)
小野原雅夫(福島大学 人間発達文化学類 教授)
金炳学  (福島大学 行政政策学類 准教授)
熊沢透  (福島大学 経済経営学類 准教授)
後藤忍  (福島大学 共生システム理工学類 准教授)
小山良太 (福島大学 経済経営学類 准教授)
坂本恵  (福島大学 行政政策学類 教授)
佐野孝治 (福島大学 経済経営学類 教授)
塩谷弘康 (福島大学 行政政策学類 教授)
澁澤尚  (福島大学 人間発達文化学類 准教授)
高橋準  (福島大学 行政政策学類 教授)
中里見博 (福島大学 行政政策学類 准教授)
永幡幸司 (福島大学 共生システム理工学類 准教授)
藤本典嗣 (福島大学 共生システム理工学類 准教授)
村上雄一 (福島大学 行政政策学類 准教授)
森良次  (福島大学 経済経営学類 准教授)



★  ★  ★


(by みかん)
posted by fukugenken at 13:16| 福島 ☁| Comment(13) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

要望書についての補足

FGFの有志による要望書について、ネット上に誤解を招きかねない拡散があるようなので、
この場をかりて補足いたします。

・この要望書は山下氏の「解任」は要望していません
 「山下氏とは異なる立場の専門家“も”招聘すること」を要望しているだけです。

・この要望書の賛同者は全員、准教授職ですが、これはたまたま有志としてのまとまりを
 得た者が准教授職にあったというだけであり、教授職の教員、あるいは職員全員に
 要望書への賛同を呼びかけた結果ではありません



(by すいか)
posted by fukugenken at 08:48| 福島 🌁| Comment(3) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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