2011年05月09日

福島県知事への要望書(5/9)

みなさま、初めまして

福島大学共生システム理工学類の石田葉月と申します。



さて、福島県知事 佐藤雄平氏 宛に、次のような要望書をメールにて送付しましたので、ここに広く県民や国民のみなさまにご報告致します。送付したのは4月30日です。

なお、この要望書はFGFとは関係なく、石田個人が作成し、送付したものです。したがって、本要望書に関する全責任は私個人が負うべきものです。


~~~~~~~~ココカラ~~~~~~~

佐藤雄平 福島県知事殿


突然のメール、失礼致します。
福島大学共生システム理工学類の石田葉月と申します。


早速ですが、県が招聘する放射線健康リスク管理アドバイザーの選定について、以下のことを要望します。これにつきまして、県知事のお考えをご回答頂きますよう、お願い申し上げます。

なお、頂きましたご回答は、福島大学原発災害支援フォーラムのHP
http://fukugenken.e-contents.biz/index
にて公開させて頂きます。また、ご回答を頂けなかった場合でも、その旨を公開させて頂きますのでご了承ください。

なお、この件につきましては緊急性が高いため、ご回答は、5月13日(金)までに頂けますようお願い申し上げます。



【要望の内容】

福島県は、放射線健康リスク管理アドバイザーの選定において、低放射線被曝のリスクに関する次の二つの立場の専門家をそれぞれ招聘すべきである。

・被曝量が下がればリスクは減るものの、どんな低線量でもリスクはゼロではないとする立場(閾値なし線形仮説を支持する立場)

・内部被曝のリスクを重視し、低線量被曝のリスクは必ずしも小さくないとする立場



以下に、要望の根拠を述べます。

まず、低線量被曝リスクについての既存見解について述べます。

ここで問題とするのは、積算で100mSv以下のいわゆる「低線量被曝」です。たとえば福島市では、事故から一ヶ月間の積算放射線量はおよそ3.5mSvであり、4月27日現在でも毎時1.5μSvを超えているので、人によっては今後一年間で10mSv程度の被曝量に達するケースもあるかもしれません。

現在のところ、低線量被曝の健康被害(たとえば晩発性のガン)についての見解は、世界的にみても一致しているわけではありません。大きくわけると、以下のような3つの立場が存在しています。なお、【 】内はそれを支持する主な機関です。

@ある量以下の被曝はまったく無害とする立場【フランス医学・科学アカデミー】


A被曝量が下がればリスクは減るものの、どんな低線量でもリスクはゼロではないとする立場【アメリカ科学アカデミー, 原子放射線の影響に関する国連科学委員会, 国際放射線防護委員会】


B低線量だからといって、必ずしもリスクは小さくならないとする立場【欧州放射線リスク委員会】



これ以外にも、低線量被曝はむしろ人体に有益であることを強調する立場がありますが、これは@に含めて話を進めます。

@からBのうち、どの立場が正しいかを判断することは、専門外の私にはできません。ですが、控えめにいっても、Aの立場が少数派ということはありません。このように未だ不十分な科学的知見のなか、少なくともいえるのは、AやBの立場があることを無視して@の立場のみを強調する態度は科学的ではない、ということです。

さて、福島県では、放射線被曝に対する県民の不安を取り除くため、県外の複数の専門家を、放射線健康リスク管理アドバイザー(山下氏、高村氏、神谷氏)として招聘しました。これらのアドバイザーは、低線量被曝の健康被害については無視できるという考えを持っており、実質的には先述の@の立場に相当すると思われます。

しかし、低線量被曝リスクについては、先述したようなAやBの立場が少なからず存在しているので、こういった「情報操作」は公正ではありません。リスクがゼロでない可能性があるにもかかわらずそのことを県民に知らせないのは、県民の生命を第一に守るべき行政の正しい姿ではありません。

県民に不安を与えないことを優先するあまり偏った情報を流しても、それは「見せかけの安心」を作るだけに過ぎません。低線量被曝リスクについての解明が不十分である以上、「不十分である」という事実を県民に伝えるとともに、現段階における科学的知見を全県民で共有することこそが、長期的視点に立って県民の生命を守るうえで、いま取り得る最善の策であると思われます。


以上です


~~~~~~~ココマデ~~~~~~~~~

この要望は、FGFのホームページ内の「提言」の内容です。




低線量被曝でも晩発性の健康被害をもたらす可能性があるとすれば、県民は、まずは個人レベルでできる様々な防護策を積極的に講じるべきでしょう。

県民の生命を守るべき県としては、県民に対して自己防護を励行するように強く呼びかけなくてはなりません。

しかし県は、偏った考えの専門家だけをリスクアドバイザーに選び、低線量被曝は安全とのキャンペーンを繰り広げています。

このキャンペーンが奏功すれば、マスクをして線量計を持って歩くだけで、「不安を煽っている」と周囲から批難の視線を浴びることにもなりかねません。


知事および福島県は、事の重大さを自覚しているのでしょうか?

専門家にはいろいろな考え方を持つ者がいます。いろいろな立場の専門家をリスクアドバイザーに呼べば、県民に混乱を与えるかもしれません。


でも、それは仕方がないのです。低線量被曝の健康影響についてはいろいろな立場があるというのが「事実」なのですから。県民はその事実を受け止め、それぞれが悩み抜いてそれぞれが「判断」する他ありません。


県民をいたずらに不安にさせたくない、という考えは理解できなくもありません。
県民に難題を押しつけて悩ませたくない、という考えも理解できなくはありません。


しかし、だからといって「作られた見せかけの安心」を与えることが、本当によいことなのでしょうか? それは、本質的には、その場限りの快楽のために麻薬を与えるのと同じことだと思います。






・・・ただ、今回はいろいろ考えるところがありまして、積極的に除染を行うことや、県民へのマスクや線量計の配布の要望は本文に含めませんでした。

もちろん、私自身は、政府や自治体は少なくとも「公衆の年間線量限度1mSV」に収まるような措置を講じるべきであると考えており、そのための費用を我々「被曝者」が負担しなければならない理由はまったくないとも考えております。

これについては、また機会をみて要望してみるつもりです。



それでは、失礼します


(by 石田葉月)
posted by fukugenken at 02:17| 福島 ☀| Comment(38) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あなたの意見に賛同します。
Posted by 後藤清 at 2011年05月09日 12:19
応援しています!正義と勇気に感謝!
Posted by 福島のおばちゃん at 2011年05月09日 14:03
みなさんを応援します。何の力もないですがせめてこれだけ約束します。衣食住に困るようならいつでも、そして何時まででも頼ってもらって結構!w

がんばれ!
Posted by 原 伸彦 at 2011年05月09日 15:26
同意です。
見解の分かれる難しい問題であればこそ、その場しのぎの対応ではいけないと思います。
知事はきちんと回答をすべきです、待ってます。
Posted by satosick13 at 2011年05月09日 15:38
現状の、多くの県民の思いを・・・ありがとう。
応援します。
Posted by 飯田 at 2011年05月09日 15:58
勇気にエール!ありがとうございます。
某大国では、0.1マイクロシーベルト以上の土地が封鎖されている現状なのに日本はなぜ?との思いでおりました。
Posted by 郡山市在住主婦 at 2011年05月09日 16:37
はじめまして、TGFそして石田様の姿勢に強く賛同いたします。 風評被害、過剰反応の名の下に、リスクをリスクと言えない状態が、教育の現場や市井で形成されつつあります。 犠牲になるのは、他でもない子供達ですから、悲観、楽観交えて十分な情報のもとに住民自らが判断の機会を得られるようにすべきですよね。 低線量長期被曝に関するリスク分析の結論が出る事はありませんが、結局は否定出来ないリスクを抱えながら福島という自治体に居住し納税するだけの魅力やメリットがこの地にあるかどうかというところに帰結するはずです。 現状では、行政の対応は目を覆いたくなるほど酷いですね。
Posted by Ryu at 2011年05月09日 17:16
はじめまして。新白河在住の主婦です。
賛同します。
今まさに、偏った情報しか入手できない県民・市民の立場にいて不安と苛立ちを抱えています。

「個人の意見です」と、とても慎重な発言の石田さんやフォーラムの姿勢に尊敬を覚えますが、この意見は、たくさんの人が感じていることではないかと思います。
署名などしてもらえたら、駆け回りますが!
もしかしたらもうどこかの団体で、展開されていたりするのでしょうか・・・?
Posted by るぴなすこ at 2011年05月09日 18:27
同意します。
HPをリンクさせていただきました。
Posted by portal311 at 2011年05月09日 19:00
はじめまして
福島大学が動いてくださるのは、100人力です。

先昨日、20ミリシーベルトの件につきまして、県からの要請なのか、県の災害対策本部に確認してみました。

その時のTELでは、県の要請では断じて無い、ということでしたが、個人的には、まだ県を疑っております。

県の対応は、まったく放射能汚染について危機感がありません。

故意なのか、それとも本当に現状の汚染レベルでは、全くリスクは無いと思っているのか、その辺をほんとうに知事や県議会には聞いてみたいです。

私も、どんな回答が寄せられるのか、注目していきたいと思います。
Posted by 二本松市在住 at 2011年05月09日 19:57
はじめまして。
本日入学式を迎えた大学院生です。
一つ気になるニュースを見つけたので、リンクを貼らせていただきます。ソースとして信頼性に乏しいような気は致しますが、現に3号機の温度が急激に上昇していましたので念のため。不適切であれば削除していただいても構いません。
http://www.asyura2.com/11/genpatu10/msg/663.html
Posted by 金谷川の大学生 at 2011年05月09日 21:20
ありがとうございます!
県民の声の代表です!
回答があることを願っております。
Posted by 郡山の母 at 2011年05月09日 21:24
日本の法律では、1時間に0.6マイクロシーベルト(外部被曝と内部被曝の合計)を越えたら、そこを「管理区域」に設定して、掲示をし、一般の場所と違う取り扱いをします。
すでに学校で1時間の放射線が0.6マイクロシーベルトを超えている場合は、次の標識を学校の門に張らねばならないハズです。

Posted by banzs at 2011年05月09日 21:36
みなさま

福島大学の石田葉月です。
この度は、コメントを投稿して頂きましてまことにありがとうございます。

みなさまから励ましの声を頂き、どれほど勇気づけられたかわかりません。心より感謝申し上げます。


FGFは大学の公式組織ではありませんので、なかなか思うように活動はできないかもしれませんが、それでも出来る限りにおいて、少しでもみなさまのお役に立てるように頑張っていきます。

3号機の様子、いったいどうなっているのでしょうか・・・・。かなり気になります。映像はもうないのでしょうかね・・・。

放射線管理区域だったら、ステッカーを貼り、線量計を持ち、健康チェックをしなければならないはずですよね。福島市などの放射線レベルは、それをゆうに超えているわけですから、これで平然としていられる方が不思議な話です。つまり、線量計の配布や精密な健康チェック(ホールボディカウンターによる内部被曝検査)などのサービスは、無料にしてしかるべきだと思います。ちなみに、FGFのホームページでは福島市の環境放射線(公表値)推移グラフを示しておりますが、参考として放射線管理区域基準も描き入れております。

これからも、微力ながら、自分にできることをやっていく所存です。みなさま方のお力をお借りすることもあるかもしれませんが、その節はどうぞよろしくお願い致します。これまで、署名活動のようなことを行ったことはなかったのでノウハウがまったく分かりませんが、今後はどうぞよろしくお願い申し上げます。


みなさま、どうかご自愛下さいませ。

Posted by 石田 at 2011年05月10日 00:59
福島大学の中から声が上がった事に大変感謝しています。

福島の現在の状況とリスクを客観的に公にしていく事が危急望まれています。国の派遣したリスクアドバイザーの話が一人歩きしていて、今更外からいくら話をしても伝わらないし、除染や避難などの対策をする人が白い目で見られています。

この状況を変えるために、大学という信頼のある場で、フォーラム提言文にあるAやBの立場の大学研究者や教授に福島大学に来て頂いて、講演会やフォーラムができないでしょうか?

何より、県民の方にとって信頼のあるルートからの情報提供がとても大事かと感じています。

お立場上大変かとは存じますが、ご一考願えると助かります。
他大学への研究機関への働きかけなど素人でもできることは何でもやります。

関東在住 主婦
Posted by 近藤波美 at 2011年05月10日 12:10
Posted by 佐藤有正 at 2011年05月10日 19:47
先生の勇気に、心から感謝しています。
きっと、声は聞こえなくても、そう思っている方がたくさんいるはず。
本当にありがとうございます。
子ども達が安全な場所で学べることを、切に願っています。
Posted by 福島大生の母 at 2011年05月10日 20:46
はじめまして。
福島県内の大学の先生方が声をあげられたこと、大変心強く思います。

娘が二本松市内で働いております。
山下氏の二本松市での講演会の動画を何度も見て、憲法13条「〜生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」や25条「生存権、国の社会的使命」は一体どうなっているのか?と不安と怒りがこみ上げてきました。

今回被害にあわれた方達が正当に生きる権利を主張できるよう、埼玉から祈っております。
Posted by Kei at 2011年05月10日 22:28
勇気を持たないと、当たり前のことが言えないなんて。
被爆だけではないのですね、福島のひどい状況は。
心が痛みます。

でも変えていきましょう。FGFのHPを見つけて、希望が持てました。
何かできることがありましたら、お知らせください。
Posted by 福島市出身、札幌在住 at 2011年05月10日 22:57
私も個人的に今月初旬から線量計を持ち、郡山の各地を計測、
http://www.leechoc.com/wordpress/
http://www.leechoc.com/
http://twitter.com/#!/kooriyamasave
で微力ながら、自分と自分の大事な人を守るために情報を公開しています。

福島の将来を担ってくれる福大の学生が動いてくれたのは感謝の一言です。

私個人ができることは殆ど無いかもしれませんが、署名など、私にできることは何なりと言って下さい。

若い力で県と国を動かし、安全と安心を勝ち取って下さい。
Posted by 大野 誠 at 2011年05月11日 00:36
貴方の要望書は、至極当然です。
相反する仮説があるのに、片一方の仮説を唱える人間しか呼ばないのは、リスクマネジメント上ありえませんから。
Posted by 道産子 at 2011年05月11日 01:30
こんばんは

今日、県の災害対策本部にTELした件、お知らせしておきたく、投稿させていただきました。

20ミリシーベルトの件は置いておきまして、県として今後どうするつもりかを聞きましたところ、梅雨で放射性物質が流されるのを待って、その後モニタリングで、線量の高い部分を除染していくという考えを持っているようです。
何故、今すぐ除染を始めないのか聞いたところ、どこに土を持っていくかで、悩んでいるそうです。
原発の敷地内といっても、限度があるでしょうし、敷地外に勝手に置くわけにもいかないというところのようです。

結局、除去した土の処理方法が決まらなければ、なにも始められないということのようです。

福島大学や日大など、連携して土の処理をどうしたら良いかという問題を、解決することはできないでしょうか。

研究機関や大学など、どこにも土の処理をどうしたら良いかの検討依頼はしていないそうです。

梅雨明けには、県民の皆さんにも、どうするかお示ししたいと言っていましたが、どうもこのままズルズルいくのではないかと不安です。
Posted by 二本松市在住 at 2011年05月11日 23:05
私は福島大学人間発達文化学類新3年次生です。

 放射性物質自体が飛散し、安心とはとても言い難い線量が観測されている現状では、正直福大に行きたくない、さらにいえば福島をでたいとさえ思います。
しかし、附属中学校での前期教育実習が5月16日から早速始まるということもあり、実際には気にしていられません。

附属中学校に影響することでもありますから、いたしかたないとも思いますが、逆に言えば中学校等も大丈夫なのかと心配です。

 学生自治会も要望書を提出しているようですね。自治会に無関心といっても良い、私を含め一般のというか、そういうのに所属していない学生も、もっと関心をもって、賛同する意思があれば、積極的に後押ししていくとうまくいくかもしれませんね。

まずはFGF等の存在を、関心があったり不安を感じている学生にそれとなく教えようかと思います。こういう活動がある、ということ自体知りませんでしたから。
Posted by 家釜湯子 at 2011年05月15日 02:28
いろいろ検索して、こちらへたどり着きました。
mixi日記にてFGFを紹介させていただきたいと思います。URLはトップページを使います。
福島大学原発災害支援フォーラム(FGF):http://fukugenken.e-contents.biz/

福島大学放射線計測チームとの関係は、どのようなものでしょうか。
福島大学放射線計測チーム:http://www.sss.fukushima-u.ac.jp/FURAD/FURAD/top.html
差し支えのない範囲でお答えいただけると助かります。
Posted by としきぴ at 2011年05月15日 17:36
 理不尽な思いが静かに伝わってきます。添加物と農薬を避けて二人の子供を大切に育てただの主婦(隣県在住)です。
外部・内部被曝はどんなに少量でもしないほうが良いに決まっています。小さい人は勿論守ってあげなければなりません。リスクはどなたにあたるか分かりません。
 
 ”ぶれず、へつらわず”四十年弱大学組織で生きてきた夫の若い日を思います。今はそれで良かったと胸を撫で下ろしています

いつの世も必ず少数派がいてバランスが取れると信じています。

Posted by moriko at 2011年05月17日 14:18
今回、このHPを知って大学関係のいろんな取り組みを知りました。疑問に思ったのは、理工学類っていうところでは放射線チームがデータを計測してます(最近の計測数値は無いです)。行政のブログでも放射線計測をしたみたいです。経済のHPでも計測器は簡単なもの?とコメント付きで発表されてます。何となく見ていると日付が違うにしても数値がバラバラで、3つのうち、どれが本当の数値なのかわかりません。大学の中で計測班って決まってないんですか?三者三様の計測をしてそれを発表してのって東電と保安院の記者会見と同じじゃないんですか?県民の安全性は必要でも大学の中でバラバラの動きをしていることをまずは整理してもいいんじゃないですか?通う子供たちに不安を与えてるんじゃないですかね?

僕はこの統一感の無さに不安を感じます。統治能力が無いというか、横のつながりが無いというか、県への要望は賛同しますが、足元の整理もよろしくお願いします。
Posted by 福大の放射線計測って三者三様? at 2011年05月21日 09:01
みなさま

福島大学の石田葉月です。

さらに多くのご意見を頂きまして、感謝申し上げます。

さて、福島大学としての本格的な除染や被ばく防護に向けた取り組みはこれからです。具体的な手立てを講じたりや他大学あるいは研究機関との協力関係を構築するのはこれからですが、今後の我々の活動におきましても、みなさまから頂きましたご意見を大いに参考にさせて頂きます。ただ、我々は福島大学のなかにおいて、決して「多数派」でないこともご理解ください。

ご意見のなかに、本学構内の放射線量測定の取り組みについて、「統一感」のなさをご指摘するものがありましたが、この点につきましては、現状をご理解頂きたいものと存じます。まず、全学的に、放射線を計測するための人員および機器ともに、今なお十分ではありません。できる人からできることをとりあえずやらなくてはならない状況下にあります。したがって、測定も、いろいろな機種を用いていろいろな日時にならざるを得ないことをご理解ください。しかし、そうやって測定されたデータもまた「事実」なのです。である以上、それをできるだけそのまま公表する方が望ましいものと思われます。

また、たとえば、大学がデータの公表を厳しく管理・制限すれば、公表される測定データの統一感は保たれます。しかし、それが本当に好ましいことなのかどうか、今一度、よくお考えくださいませ。


それでは、失礼します。
みなさま、どうかご自愛くださいませ。




Posted by 石田 at 2011年05月21日 21:01
FGFの方々の活動と違うことを書いておきながらもご丁寧なコメントをいただき恐縮です。

平行線になると思いますが、”計測するための人員および機器”が十分ではないのかもしれませんが、3つのデータがあって、どれも”真実”であっても、まるでそれは東電と保安院の記者会見のようです。20mmシーベルトとした文部科学省と、そうは言っていない原子力安全委員会の見解の違いとも似たような感じです。

機種によっての誤差、当然、日時や測り方によって違いが出るのはわかります。

言いたかったのは、それぞれが計測結果を発表するのも自由だし、そこから出された数字は貴重だと思います。管理・制限とは言いません。原発事故以来、何人もの研究者がTVで話したり、県内で講演をしたところで、皆、違うことを話し、どれが真実なのかわからず、疑心暗鬼になっているのが今の状況下ではないでしょうか。つまりは誰の言葉も、数値も信じられないということです。その繰り返しをしているのではないでしょうか!ということです。

除染や被ばく防護も大事ですが、原発事故で県の産業、経済、観光、自治体、環境が被害を被っています。是非とも研究者の方々の提言を願ってやみません。

Posted by 三者三様 at 2011年05月21日 23:18
福島大学の石田です。

三者三様さま、再びご意見をありがとうございます。そして、再びお答えします。三者がそれぞれに計測した値はそれぞれに「事実」なのです。事実を公表することは、何よりも大切であると考えております。

さて、得られた事実の背後に、どのような「真実」があるのか、我々自身も知りたいところです。ですが、人間は全知全能の神ではありません。あなたさまが、もし、「学者なら真実を知っているはずだ」と思われているのであれば、それは大きな誤解です。原子力工学の専門家が、原子炉についてほとんど何もわかっていなかったことが、今回の原発事故で露呈しました。知った風に「真実」を語る学者がいるとすれば、むしろそのような学者を疑った方がよいと思われます。

あまりお答えになっておりませんが、こうしている間にも我々自身、被曝し続けているのです。とにかく身近な線量を計れるだけ計ることは、できるだけ被曝を避けるためにも、緊急にやらなくてはなりません。体裁が不格好な部分もあるかもしれませんが、再度、ご理解頂きますようにお願い申し上げます。
Posted by 石田 at 2011年05月23日 20:30
計測した数値が真実というのはわかります。公表というのも理解しようと思えば理解できます。
但し、これが公的機関や企業だったとして、組織の部署部署からバラバラにデータ発表ってしますか?その場合、まずは組織の有り様を疑ってしまいます。

真実というならば大学のTOPページで「線量を公開しました」と掲載してください。そうしていないから三者三様の取り組みと見えてしまいます。

失礼かもしれませんが、僕は基本的に「学者が真実を語っている」とは全く思っていません。あらゆる分野で学者を信じていません。常に疑っています。時間が経つことで、実は違っていたなんてことはいくらでも存在します。

学者の方が語ったものを無防備に信用することほど怖いものは無いです。県アドバイザーの方の話も含めて。
Posted by 三者三様 at 2011年05月24日 22:50
三者三様さま

石田です。何度でも繰り返します。

現実問題として、あなたさまの要求通りになる一番手っ取り早い方法は、大学側が、情報の公開を統制することです。各部局や教員がバラバラに情報を出すことに不格好さがあることも確かですが、今現在において、どちらが優先されるべきなのかをよくお考えください。それでも納得ができないのであれば、大学の公式HPだけをご覧になっていればよろしいのではないでしょうか?

それから、大学に企業論理をあまり持ち出すべきではありません。学問の府としての大学は、それぞれの教員がそれぞれの判断でデータや見解(捏造は問題外ですが)を示す自由がなければ、学問の府にはなり得ないのです。

もしあなたさまの仰ることをすべての大学に適用するのであれば、例えば京都大学の原子炉実験所の公式HPが謳っていることと矛盾あるいは相反するような見解を、当の原子炉実験所に所属する職員が個別に作ったHP内で公開することもできなくなります。「体裁の不一致」がもたらす煩わしさを強調するあまり、もしも「原子力安全研究グループ」が存在しなかったら、いったいどのような恐ろしい世の中になっていたかよくお考えください。

わたしは、あなたさまの仰ることを全否定しているのではありません。ただ、すべてにおいて何の不都合も生じない方策は、恐らくないでしょう。
あなたさまの言い分とこちらの言い分をすべて満足する手立てを熟慮する時間もないのです。この非常時において、「何を一番に優先するのか?」ということなのです。

測定条件を示し、測定機器も示し、そうして得られたデータは「事実」なのです。そして、何よりも我々の優先事項は、少しでも測定頻度を増やして、余計な被曝を避けるための情報を少しでも多く提供することです。情報を見たくなければ、見ない自由は誰にでもあります。でも、情報を見たい人たちに対して情報を出さないことがもたらす損失は極めて大きいと思われます。

今は非常時です。少なくとも、身近な線量については、体裁を気にするよりも、とにかく情報を出すことを優先すべきなのです。

お分かり頂けると嬉しいのですが・・・
Posted by 石田 at 2011年05月24日 23:48
難しいことは判りません。
でも、放射能という見えない恐怖には、見える数字が逃げる方向を教えてくれます。子どもが通う学校の、どこが危険でどこが安心なのか、少しでも被爆を減らすために一刻も早く知りたかった。だから、組織としての体制が整うのを待つのではなく、出来うることから始めて下さった先生方のそれぞれの活動に、心から感謝しています。


FGFの皆様、
震災前と変わらないのどかな風景の中で、危機感を持ち続けること、大変なことだと思います。でも、どうぞ歩みを止めませんように、心からお願い申し上げます。感謝。
Posted by 保護者 at 2011年05月25日 23:19
石田様

ご多忙のところ私のような者にご丁寧なコメント、毎回、ありがとうございます。

まずは「情報公開の統制」という言葉は使っていません。このような形になっているのは大学組織としての取り組みが行われてないんだろうと思うだけです。

「企業論理」という言葉、こちらも使ってはいません。「社会への説明責任」として例えただけです。体裁云々ではなく単に「社会への責任」形態として疑問を持ち、お聞きしただけです。

「学問の府」については承知しています。「学問の府」という言葉が出された以上、私は何も言う資格はありません。その責任は倫理として非常に大きいものだと思いますので今後の活動を静かに拝見させていただきます。

 最後に一つ。公開されている計測マップ地図に私有地?らしき場所の計測数値が掲載されているようですが、当然、許可を得てのことだと思って見ています。

 貴重なお時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした。
 私は一生、福島の土地から離れることが出来ません。どこまで社会を観ることが出来るかわかりませんが、「絶対安全」は無いにせよ、子供たちには少しでも安全と思えるような環境は取り戻してあげたいと思っています。同時に避難されている多くの方々の気持ちを思うと非常に心痛の思いです。
 土は汚れたかもしれませんが、心は汚れていません。きれいな心に務め見守ります。心を以って負けないようにしたいと思っています。
Posted by 三者三様 at 2011年05月25日 23:48
三者三様さま

福島大学の石田です。

何度も、まことにありがとうございます。

まず、「情報公開の統制」や「企業の論理」などの言葉をお使いになっていない、とのことですが、あなたさまのご意見は、実質的に、これらのことと無関係ではないのです。「言った、言わない」などの表面的なことは、どうでもよいのです。

公開されたデータが私有地で許可を取ったか取らなかったという問題は、もし気になるのでしたら、公開元(リンク先)の方へ直接お問い合わせください。不適切な表示があれば、そちらが修正することになるでしょう。

これだけの被曝は、福島大学にとっても初めてのことです。まったく想定しておりませんでした。でも、それは現実に起きてしまいました。何よりもまず学生と教職員の生命を守るということを優先すれば、その不慣れな対応の過程で、いろいろと至らない部分も出てくるでしょう。我々は、それを修正しながらやっていくより他ありません。

繰り返しになりますが、いち早く線量データを公開するのは、学生たちが余計な被曝を少しでも回避できるようにするためです。

あなたさまが仰る「社会への責任」は、多くの人が余計な被曝を避けることを差し置いてまで大切なことなのですか? 大学内の各グループがそれぞれにデータを公表することで、学生等の被曝がむしろ「増える」ことなどあり得ますか?もしそうなら、我々は慎重に公表しなくてはなりません。しかし、多少なりとも被曝を避けるために役立つ情報だと判断したからこそ、公開しているのです。

くどいようで申し訳ありませんが、再度、お願い申し上げます。低線量被曝が安全であると必ずしも断言できない以上、現在進行形で被曝している我々にとっては、少しでもムダな被曝を避けるということが何においても優先事項であることを、どうかご理解ください。

それでは、失礼します。

Posted by 石田 at 2011年05月26日 00:42
最後の書き込みにさせていただきます。

大学が学問の府であるにせよ公的機関であると思っています。一つのデータよりも多くのデータ、多くの意見があって当たり前だと思っています。放射線について多くの学者の方々が様々な見地から話すなかで「選択」しようと努めていますが学者ではありません。

低線量の数値、無駄な数値を浴びないというのは同じ思いです。

【多くの人が余計な被曝を避けることを差し置いてまで大切なことなのですか?】

私の書き込みの中で「社会への責任」と「被ばく」を比較するようなニュアンスが伝わったとすれば残念です。私の書き方が悪かったのだと思っています。読んだ瞬間、全身に緊張が走りました。この文章を読み返すごとに怖さを感じます。

生命以上に尊いものはありません。本当に怖いです。

「被曝」という言葉を何度も目にしますが、現実逃避しているわけではありませんが、何度も何度も書かれている様子についても怖さを感じます。
暗示をかけられているようで怖いです。

こちらのTOP画像からも衝撃的な印象を受けていましたし、見る度に怖さを感じていました。

怖いのでアクセスしません。お騒がせしました。
Posted by 三者三様 at 2011年05月26日 20:46
石田先生
チェリノブイリの事故半年後にストックホルムで一年間暮らしていました。
コミューンからマニュアル(スウェーデン語)が配布され外国人も安心して暮らしておりました。当時一歳と四歳の子供は現在健康です。

このたびの事故後にすぐ探したのがただの主婦にもわかり易い対策のマニュアルです。「原発事故緊急対策マニュアル」日本科学者会議福岡支部核問題研究委員会編 参考文献が信頼できたから・・ 

正攻法では学生の被曝は増すばかり・・。本当は前もって渡しておくべきでした。大学が配布するまででも・・
ご自愛ください。
Posted by moriko at 2011年05月27日 11:48
moriko さま

福島大学の石田です。

有益な情報をくださいまして、ありがとうございます! さっそく、FGF HPの「学生支援」ページにてリンク致しました。
Posted by 石田 at 2011年05月27日 17:57
皆様方

下記のブログを見て下さい。

【拡散希望】

http://kofdomofukushima.at.webry.info/
Posted by 福島県人 at 2011年06月22日 09:34
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